喪中はがきの書き方や送る方の目安

喪中はがきは正式には「喪中・年賀欠礼状」といいます。普通のはがきや手紙とは異なるいくつかのルールやマナーがありますので注意が必要です。通常の手紙は前文・主文・末文の構成ですが、喪中はがきでは頭語・結語は不要で主文から始めます。また、一般的に文章内で句読点は使用せず行頭の1字下げも行わないという点も大きな違いであり注意点となります。年賀やお慶びという言葉は使用せず、はがきのデザインも華美な物は避けイラストがある場合は落ち着いた色で色数を抑えます。文字色は薄墨色が一般的でフォントは、楷書体・明朝体が多いです。
主文では、喪中の為に年賀欠礼する事をまず述べ、故人の名前・続柄・没月没日・享年を書きます。死因は書かず、夫婦連名の場合には世帯主を主にした続柄になります。末文では、これまでの付き合いの感謝と今後の付き合いをお願いする、または相手の無事を祈る言葉を添えます。この際に私信的な近況報告などは書きません。近況報告などをお知らせする場合は、喪中はがきとは別に報告のはがきを出すのが一般的です。
また、はがきや切手は郵便局の通常はがきは胡蝶蘭のもの、切手であれば弔事用普通切手花文様を利用すると良いでしょう。

喪中はがきを出す親族の範囲は、基本には1年以内に一親等二親等の親族が亡くなった場合に出し、多くは世帯主からみた続柄や間柄です。
一親等は配偶者(本人と同一とみなす場合もあります)・両親・子 ・配偶者の父母の事を指し、二親等は兄弟姉妹・祖父母・孫・配偶者の兄弟姉妹・配偶者の父母の親(義祖父母)を指します。近年では一親等と二親等までは多くの方が出すようですが、二親等以内の場合でも故人と同居していた場合は出すが別居していた場合は出さないという判断も多々見受けます。また、二親等でよく悩まれるのは、配偶者の祖父母や配偶者の兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者などのいわゆる「姻族」で、この様に喪中はがきの判断が難しい場合には年長者の方に相談した方が安心でしょう。
また、東日本震災の翌年から登場した「年始状」を利用される方も増えてきました。「喪中はがき」は大げさに感じるけれど年賀状を送るのも気が引ける、という方が「年始状」を送られているようです。
喪中はがきを送る相手の目安ですが、一般的には年賀欠礼の挨拶状なので毎年年賀状を交換している方に出しますが、喪中である事を改めて報告する必要のない「身内」には出さない方が多いです。一方、公私を分けて(特に姻族の喪中の場合は)仕事関係先へは例年通り年賀状を出す方が多い様です。

喪中はがきを出すタイミングなど

一般的には年賀欠礼の挨拶である為、年賀の挨拶を行う新年の前に届けば問題ありませんが、喪中はがきを受け取った方も年賀状を送らないという風習が確立していますので先方が年賀状の準備にとりかかる時期である11月中旬から遅くても12月初旬には届くように出すのが良いでしょう。年末に不幸があった場合には形式上喪中はがきを出すという方と、喪中はがきは出さずに寒中見舞いを送るという方います。喪中はがきを出し忘れた方から年賀状が届いた場合も同じく寒中見舞いを出し喪中であることを伝えます。寒中見舞いを出す場合には松の内(1月7日)が明けてから節分までに届くように出します。必ず忌が明けてから出すようにしましょう。神道では50日祭後、仏教では49日法要後です。※忌明けの日数は、宗教によって変化します。
年賀状を用意してしまった後に身内に不幸があった場合には、投函前であれば郵便局の窓口で服喪である旨を伝えて住所氏名や亡くなられた方の続柄等を専用用紙に記入して申し込むと喪中はがき・弔事用切手・通常はがき・通常切手などに無料で交換して貰えますが交換できる期間は、購入したお年玉付郵便はがきの販売開始日~販売期間終了日までなので注意しましょう。現金での返金して貰う事は出来ません。投函後に身内に不幸があった場合も「取戻請求」を行うと投函した年賀状を取り戻すことが出来ます。※タイミングによっては料金が発生しますので実際に確認をして下さい。