遺品整理を行う時期や方法

遺品整理を行う時期については各家庭の事情によって様々となります。しかし、賃貸住宅の場合であれば退去が遅くなればなるほど家賃が発生してしまいますから、可能な限り早い段階で遺品整理を行うことが得策と言えます。ここからは持ち家を前提として遺品整理を行う時期について簡潔にお伝えしていきます。
まずひとつめのタイミングとしては、法要の時期です。四十九日や新盆・一周忌・三周忌などのタイミングを目安に遺品整理をする方が多くいらっしゃいます。遺族の方もそれぞれの事情がありますから頻繁に集まることは現実的ではありませんので遺族が一堂に会する法要の場で遺品整理を行うことが多いようです。遺族みんなの考えを聞き相談しながらの形見分けも可能になりますのでトラブル回避にもつながります。また、故人の身の回りの手続きが完了する葬儀後の手続きに合わせたタイミングで遺品整理を行うという方法もあります。葬儀の後はすぐに行政関係や銀行・保険等の手続きが多く発生し期限が決まっているものもあります。こういった優先すべき手続きが済んでから、落ち着いて遺品整理を始めるのも良いでしょう。こういった時期以外にも持ち家である場合は賃貸住宅と違い急ぐ必要がないですから、遺族の気持ちが落ち着いたタイミングなど時間をかけて整理することも可能です。気持ちの切り替えができていない内に義務的に急いで片づけるよりも、各々の思い出を振り返りながら故人の遺志を尊重したり丁寧に遺品整理をする方法もあります。

遺品整理を行い方については大きくわけると二つの方法があります。ひとつは遺族が遺品整理をする、もうひとつは業者に遺品整理を依頼する方法です。まずは遺品整理を遺族で行う場合ですが、自分たちで整理を行えば故人が大切にしていた物や思い出などを振り返りながら分類していくことが可能です。費用も抑えられるというメリットもありますから、時間や体力に余裕がある場合は遺品整理を遺族で行うという方法が一番良いでしょう。
しかし、それぞれの事情で遺品整理の時間を取ることが難しかったり、体力的に難しいというご家庭もありますし、思い入れが強い場合にはなかなか処分することができずに遺品整理が進まないという場合もあります。実際に、故人が亡くなってから数年の時を経ても故人の部屋は生前と変わらずにそのまま遺っているというケースもあります。このような事情から、リサイクル業者や買い取り業者に遺品を買い取ってもらうというケースも多く見受けられるようになりました。そういった場面を各方面のメディアで取り上げられているのを目にしたことがあるのではないでしょうか。リサイクル業者や買い取り業者はテレビや洗濯機などの家電はもちろん、様々な日用品まで幅広く取り扱っていますので、早く片づけを済ませたい・少しでも現金化したいといった場合にはこのような業者に依頼する場合があります。買い取り業者はリサイクル業者よりも取扱商品が限定されるという難点はありますが専門の知識や販売経路が多くあるといったような理由から高値で買い取ってもらえる可能性もあります。近年では買い取り比較サイトなども充実していますから、どこのお店が一番高値で買い取ってくれるかという事も分かりやすくなっています。出張・宅配買い取りサービスなどを利用することもできますから、店舗に持ち込まなくて済むという選択肢もあり便利です。また、リサイクル業者や買い取り業者の他にも遺品整理サービスを利用するという方法もあります。遺品整理サービスと一口に言っても、先述のリサイクル業者や引っ越し業者等が行っているサービスと遺品整理を専門で行っているサービスがあります。また、遺体が長い期間発見されなかった場合に部屋の汚れや異臭が残ったりということもあります。このような場合には遺品整理だけでなく部屋の原状復帰も必要になり特殊な清掃が必要になるのですが、遺品整理業者によっては部屋の現状復帰まで含め対応してくれる企業もあります。具体的なサービスの内容についてはそれぞれの企業によっても異なりますし、遺品の取り扱いについても各社によって違いがあります。

遺品整理の相場や注意点

遺品整理を業者に依頼するとなった場合には一番に気になるのが費用についてではないでしょうか。遺品整理が必要な間取りや荷物の量・種類などによって料金は大きく異なり、部屋が狭い場合であっても荷物が多いということであれば当然料金も高くなります。梱包・搬出・清掃・車両・処分・リサイクル・オプション作業・消費税などさまざまな項目がありますので、必ず見積りで確認するようにしましょう。大まかな相場については部屋の面積で算出する方法・トラックの大きさや台数で算出する方法の二つの算出方法がありますので参考にしてください。
まずは部屋の面積で算出する方法です。荷物の量などに関わらず部屋の大きさで決まるので荷物が多い場合に適していて、部屋の面積が1Kで一名から二名で作業する場合は概ね4万円程度~・1LDKで二名から三名で作業する場合は概ね十万円程度~・2DKで三名で作業する場合は概ね十三万円程度~・3DKで三名で作業する場合は概ね二十万円程度~といったようになります。
トラックの大きさや台数で算出する方法は荷物が少ない場合に適していますが、少しでも超過すると追加のトラック代が掛かります。相場については1tトラック(みかん箱90個程度)の場合は概ね五万円程度~・1.5tトラック(みかん箱150箱程度)の場合は概ね八万円程度~というようになります。お伝えした料金はあくまで目安の相場ですし、荷物の量などの判断が難しい場合には、先に見積りをしてくれる業者を探し事前に確認するようにしてください。

遺品整理を行う際には明らかに価値がわかるもの以外をどのような基準で保管・処分・譲渡するべきか難しいものです。実際に遺品整理を行う際に確認しておきたい注意点についてお伝え致します。
遺品整理を行う前にまずは遺言書があるかどうかを確認する必要があります。きちんとした形式・手続きで書かれている遺言書は法的な効力を持ちますので最重要視されますし、法的効力がない形式であったとしても故人の意思を尊重するためにも遺品の整理に関しての記述があるかどうかの確認をする必要があります。また、何を処分して何を残すかを迷った場合には、悲しみの中では正しい判断ができないかもしれませんからひとまず残しておくという選択をすると良いでしょう。
また、故人と親しくしていた方と今後連絡をとる必要があるかもしれませんので連絡先が分かるような物については保管しておく必要がありますから、手帳や手紙などはできるだけ残しておきましょう。手帳や手紙だけでなく携帯電話などの電子データについても、読み取れる内にパソコンへ移したり印刷やメモをしておくことをおすすめ致します。

遺品整理を行う中でトラブルがおきてしまう場合もあります。ここではよくお聞きする二つのケースをお伝え致します。まずは遺品整理業者を利用した際のトラブルについてです。遺品整理業者を利用した際の代表的なトラブルは「遺品の誤処分」や「追加料金」等です。遺品の誤処分については伝え忘れや確認不足が主な原因であることが多く、そのようなトラブルを防ぐ為には遺品整理の場に立ち会い、しっかりと確認しながらすすめるようにしましょう。近年では買い取りも同時に行う業者が増えていて大変便利なサービスなのですが、相場よりも安い値段で買い取られる可能性もありますから評判を確認できる業者に依頼するという予防策をとることも大切です。追加料金のトラブルを未然に防ぐ為には事前に見積りを提出してもらう際に、追加料金の有無・その基準についてを詳しく聞き、納得のいくように説明を受けておきましょう。
また、形見分けでの遺族や知人間のトラブルも起きやすいとされています。形見分けとは、生前にお世話になった方に遺品を譲渡するものですが、その際に宝飾品類や高価な衣類などを誰が引き取るかといったような問題でトラブルが起きやすいようです。市場価値のあるものは全て遺産相続の範囲に入るという判例がありますから、厳密には誰が何を引き取るのかという事は勝手に決めていいという訳ではありません。トラブルを防ぐ為にも価値があるものは早期に把握しておくとよいでしょう。