免許証返納の必要性と返納方法

運転免許保有者数はかなり多く、取得する理由については人により様々ですが、個人の身分証明書としても代表的なものと言えるものですから、人によっては運転や車両保有の有無に関わらず身分証明書として活用する目的で持っている方も多くいらっしゃるかもしれません。
このように免許証は個人を証明するものとしても重要な役割を果たしますから、悪用されるリスクも高いとも言えるものです。そういったリスクを回避する為にも亡くなった方が免許証を取得していた場合には所持者に代わって遺族の方が返納手続きをすると安心でしょう。
免許証の所持者が死亡した際は効力を失い無効となる為、返還することが推奨されていますが義務ではありません。運転免許証には期間が定められている為、更新をしなければそのまま失効とみなされます。免許証の有効期間は三年もしくは五年で、こちらの期間は所持者の交通違反の有無や年齢などの状況により異なりますが、更新をせずに有効期間を過ぎた免許証は失効するので免許証を所持していても運転はできなくなります。
自然に失効する上に義務がないのであればわざわざ返還する必要はないのでは?と考える人もいらっしゃるかと思いますが、返還をしていないと偽造されて悪用されるなどといったリスクは避けられません。有効期限が切れている免許証であっても返還の手続きはしておいたほうが安心です。
返還せずにご自身で処分をするという選択を取る場合であっても、顔写真が付いていて住所や生年月日の個人情報が記載されているという特徴がありますから間違ってもそのまま捨ててしまうという事は絶対にないようにしましょう。
また、免許証を取得していると携帯している方が殆どですから、形見として残したいから返納したくないという方も多いです。返納するからといって、免許証そのものを返さなければならないわけではありませんから、免許証自体は返納しても手元に残せます。希望すればパンチで穴を開けた状態にはなりますが返してもらえますので、形見や思い出として取っておけますので残しておきたい方は返納の手続きの際に免許証を残したい旨を伝えましょう。

免許証を返納する方法は最寄りの警察署もしくは運転免許センターへ出向いて行うことになります。原則として手続きは遺族の方が行う事とされていますので、万が一に遺族の方以外の代理人の方が手続きを行うといった場合には必要書類などが変わることがあるので事前に確認をしておく必要があります。
免許証を返納する時期については明確に定められていませんので、返納をしなかったとしても罰則等はありません。身内が死亡した場合には非常に多くの手続きがありますので、期限や義務がないものについてはつい後回しにしてしまったりそのままにしてしまったりされがちですが、悪用されるリスクを回避する為にも役所の手続きが終わった時点で可能な限り早めに返納の手続きを行うことをおすすめ致します。
続いて方法についてですが、死亡した人の手続きのひとつとして役所に死亡届を提出し除籍などを行ってもらいますが、この手続きは運転免許証を管轄する国家公安委員会や警察とは情報を共有していませんので、運転免許証の返納手続きは別途行わなくてはいけません。ですから最寄りの警察署運転免許窓口もしくは運転免許センターへ出向いて「運転免許証返納届」という書類に必要事項を記載し所定の必要書類と併せて提出を行います。
運転免許証の返納に必要な書類は「死亡した方の運転免許証」「死亡診断書もしくは戸籍謄本(除籍後)の写し」「届け出をする方の身分証明が可能なもの」「運転免許証返納届」「届出人の印鑑(認印でも可能)」の五点になります。
死亡診断書の写しは運転免許証の返納手続き以外にも使用する機会が多いので予め何枚か余分に用意しておくと良いです。戸籍謄本の写しについては、死亡届を提出し手続きが終了した時点のものが必要になりますので死亡届を出した際に戸籍謄本が必要になる旨を役所の窓口で伝えておくとと手続きがよりスムーズです。

お葬式の豆知識

車や保険の対応

運転免許証の返納の他にも、故人が車を保有していた場合には注意が必要になります。
車は相続財産と見なされる為、売却・譲渡・廃車どの選択肢をとった場合でも手続きが必要となります。故人が車を所有していた場合、まず必要となる手続きは名義変更です。売却・譲渡・廃車売却・譲渡・廃車どの選択肢をとった場合でも所有者もしくは使用者が故人のままでは手続きが行えない為です。名義変更の手続きは、軽自動車の場合は「軽自動車検査協会」普通車の場合は「運輸支局」で行うことになります。また、名義変更を行わないでいると、時期によっては故人に納税の納付書が届いてしまうことになりますから、相続の協議を行う際に所有していた車を加えることを忘れないようにする必要があります。
また、車の名義変更を行う際には自動車保険・任意保険の名義変更も必要となります。名義変更を行えば自賠責保険の名義は変更ができるのですが任意保険の場合は手続きが必要となるので注意が必要です。加入していた保険会社へ連絡し、契約者を変更する手続きを依頼しましょう。
相続人ではない第三者に譲渡する場合には相続とはまた別の手続きが必要になります。その際に所有者が異なる場合は、譲渡の前に所有者に連絡し必要書類を運輸支局に提出することが必要というのが前提となってきます。
また、名義変更の手続きには移転登録手数料・自動車保管場所証明書ナンバープレート・自動車取得税の費用が掛かり、名義変更の場合は移転登録手数料以外は新所有者が負担することになります。譲渡が決まったら車庫証明を準備しておくと手続きがスムーズですからおすすめ致します。